人生を変えるキッカケになった言葉(3/3)
「あともうすこしがんばりなさい。
あきらめてはいけません」
1年悩み続けた。
絵なんて描けない。
毎日、色鉛筆や水彩絵の具いろいろと試して描いた
むり、ムリ、無理だ
「先生、1年やったけど、絵が描けません。
絵なしで、言葉だけでカレンダーを作らせてください」
「本当に一所懸命やったのなら、
あともう少しがんばってください。
今あきらめてはダメです。」
このときの先生の表情や声は
いつになく厳しいものでした
仕事が終わってから、家に帰って毎日遅くまで絵を描いていた。
でもやっぱり31枚も描けない。
1~2週間後。
外出から帰ってきて、ポストを見た。
マンションの集合ポスト。
右上にどこかで見たようなイラストが入った名刺が貼ってある。
2年前、初めて芳村思風先生の勉強会の帰り、
東京駅の本屋で買った本の挿絵と一緒だ。
2~3日前、友人がくれた『たいせつなこと』(松下幸之助)phpの
挿絵のイラストと同じだ。
部屋に帰って、名刺にあった電話番号に連絡した。
すぐに「お会いしましょう」と2階上から降りてきてくれた。
お話いているうち、
「実は、イラストの仕事とは別にこんな絵の描き方を
広げたいと思っているんです」
とパステルシャインアートを教えてくれた。
やってみたら、おもしろかった。
やってみたら、自分にも絵が描けた。
これなら31枚描ける!
そう感じた。
やってみたら、どんどん工夫がわいてきた。
休みの日は、朝から晩まで描きつづけた。
毎日仕事が終わってから、明け方まで絵を描いていた。
3ヶ月で、「芳村思風 日めくりカレンダー」ができた。
印刷は個人でやる。
そう決めていた。
印刷屋さんにも持ちこんだら、代金前払いの条件。
2,000冊。200万円以上かかる。
売れないなんて考えなかった。
「売れなきゃ、みんなにプレゼントしたらいい」
借金もなんとか返せるだろう。
初版の2,000冊は、1ヶ月で完売。
追加1,000冊。
借金を返済したので、手持ちの現金では、
割高になるけど2,000部作れなかった。
10月に発売し、計3000冊は、2か月で年末には無くなりそうになっていた。
年が明けて、大口の注文をいただき
また2,000部の追加。
半年で計5,000部が完売。
プレゼントされた方がまた、プレゼント用に買ってくれたりした。
カレンダーを見て絵の注文まで、いただくようになった。
それまで勉強していたカラーセラピーとこの絵の描き方が
ぴったりきて、アートセラピーの仕事まで依頼されるようになった。
今は、絵を描くこと、絵の描き方を教えることも仕事になった。
あの時、言葉だけでもいいですよと言われていたら
今の仕事をしていなかったかもしれない。
(これは、薬師寺の大谷徹奘さん)
Source: 芳村思風 感性論哲学の世界