心の中に平和の砦

A22 1 - 心の中に平和の砦

心の中に平和の砦

A22 - 心の中に平和の砦
 

核兵器を持つ国が、核兵器を保持しながら
「核兵器廃絶」を訴え、核兵器を開発しようとする国に圧力をかけている。
間違えてはいけないことは、核兵器の廃絶では、世界平和は実現しないということ。
すでに核兵器を作る能力を持ってしまった人類が、
人為的に核兵器廃絶を実現したらどうなるか。
「誰かが隠れて核兵器を作って、世界を支配しようとする人間が出てくるかもしれない」
という疑心暗鬼におそわれ、諜報活動が活発になり、恐怖感から疑わしいというだけで他国を攻撃したりと、かえって戦争への不安が高まる可能性が強い。

核兵器よりももっと恐ろしいことは、人間どうしがお互いに疑心暗鬼におちいることである。
疑う心を持てば、核兵器はなくなったとしても戦争は起きる。

人間は、武器のない時代は、素手で殴り合うことで戦ってきた。
より強い武器を開発することで、相手に勝つことを競ってきた。
核兵器を無くしたら、また別の兵器をつくりだす。



大切なことは、核兵器の廃絶より
も、戦争なき世界を実現することである。



では、戦争を無くすためにはどうすればよいか。
72年前に国連の中にできたユネスコの憲章の書きだしの言葉こそ、
戦争のない平和な世界を実現するための究極の理念である。

「戦争は人間の心の中で生まれるものであるから、
人間の心の中に平和の砦を築かなければならない」

人間の心の中に築く「平和の砦(とりで)」とはなにか。
どのような意識を心の中に持てば、戦争を抑止する平和の砦となるのか。
それが感性論哲学の「世界平和の3原則」である。


1.謙虚な理性の確立する。
近代は、人間は理性的にならなければいけないという意識から、
真理はひとつと考え、考え方の違う人間を排除し、価値観や宗教の違いで対立してきた。


理性を完全なるものと考え、理性的に生きることをめざすかぎり、
違いを受け入れず画一性を追求する理性に基づく宗教戦争や民族戦争はなくならない。
「理性は合理的にしか考えることができない不完全な能力」であると考え、
理性は不完全であることを認め、考え方や価値観の違いを受け入れ、画一性を追求しないこと。

2.競争して勝つことよりも、もっと素晴らしいことは、
力を合わせて共に成長すること。

成長の原理が、競争から統合へと変わる。
「競争して勝つことよりもっと大切なことがある」という高度で新しい価値観をつくること。
それが統合による有機的相乗効果としての成長発展という成長原理である。

3.対立とは、自分が成長するために学ぶべきものを持っている人間が
誰であるかを教えてくれる現象であることを知る。

これが対立の新しい解釈。
「異なる考え方は、自分の考え方の欠落した部分を補うためにでてきている」という解釈の仕方である。


「違いと間違いは、違う。」
考え方の違いは、考え方が間違っているということではなく、異なっているだけ。
違う考え方から学ぶためには、違いを許し、受け入れることからはじまる。
これが「愛」である。

この3つの新しい意識改革が「心の中の平和の砦」となり、
それを実践していく力が「愛の実力」である。

Source: 芳村思風 感性論哲学の世界
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