裏のない表はない

裏のない表はない

芳村思風一語一会 vol.4570
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対(つい)存在の原理
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感性論哲学では、世界の根本原理は「感性」であると考えています。
感性には、1.調和作用2.合理作用3.統合作用の3つの作用があります。

感性は、常にバランスをとる働きなので、どんなものも原理的に対で存在しています。
宇宙はマイナスのエネルギーとプラスのエネルギーがバランスを模索しながら秩序を維持しています。
作用とは、固定的なものではなく模索する働きのことで、
これが「宇宙の摂理」と言われています。

この世界に存在するものは、すべて宇宙の摂理に基づいているので、
あらゆるものは一対で存在しています。

光と影、陰と陽、表と裏、善と悪、男と女など
一対という構造で存在世界は成立しています。

片方だけでは存在せず、互いが互いを必要としています。

プラス思考が大事と言われますが、
プラス面だけでなく、マイナス面も活かすことが大切なのです。
マイナスが悪いということではありません。

マイナス面を活かすとは、どういうことでしょうか。
勝つことだけを考えていると、そこには血の通った温かな「心づかい」が存在しません。
どんないい政策でも、半分の人は不利益になります。
人間は不完全だから、どんなに良いことをしても完全なる善はありえません。
どんなに良いことであっても、
その良いことは半分の人には迷惑になり不快な気持ちにさせている
ということを忘れてはいけないのです。

常に良いこと(善)を求め、良いこと(善なること)をして、
より良い(より善なる)生き方をしなければいけません。

大切なことは、自分が良いことをした結果
「誰かに迷惑となっていないか、不利益になっていないか、不快な思いをさせていないか」
という気づかいをして、不利益を受ける人々への配慮を忘れないところに
人間らしい血の通った心づかいが生まれます。

犯罪や問題は、人間に何が善であり、どうすれば社会が良くなるかを考えさせるために出てくるのです。

大切なことは「どうすれば相対立するものが対立せずに、協力しあうことができるか」ということです。

対立と競争ではなく、
お互いに学び、共に成長する融合と統合の心がたいせつです。

相対立するものが互いに協力しあうことで
相乗効果という1+1が2ではなく、
3にもなり10にもなるのです。

これは理性で考えて、できることではありません。
対立する意見は、自分の考えの短所や欠点を補い、成長させるためにあるのです。
対立するものを受け入れるために必要な力が
理性を超えた愛の力なのです。

「風の思い」より

やさしい笑顔と光がすべての方に届きますように・・・

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Source: 芳村思風 感性論哲学の世界