2014年10月3日益田ドライビングスクール(Mランド)様訪問

 Мランドを見学させていただき、お話を伺う中で、さまざまな会社で良いと思って取り組まれていること等を取り入れて展開しているのがよくわかりました。例えば、「ありがとうカード」は他でも取り入れている会社はありますが、小河会長は、それをそのまま取り入れるのではなく、一工夫して独自のものとして取り入れているのが素晴らしいと感じました。「ありがとうカード」でいえば、地域通貨Мマネーがもらえるように引換券がついているといった具合です。

 小河会長はご年配ではありますが、現役で、独自の発想で今も夢を抱いて、目標に向かってお仕事されている姿は、とても活き活きされており、輝いていらっしゃいました。お目にかかれて光栄でございました。

 

 人のために努力したり、何か事を成すことは、容易ではなく、できることではないと思います。しかし、社員さんやその家族や地域の人たちの幸せを第一に考えて仕事をしていく人が増えていくことで、よりよい世の中に変わっていくと信じます。

 

案内と質疑からの気付いた事

  1. まずは教習所入口の従業員の駐車場は「世界一の駐車」と白い標識に黒い筆文字で堂々と表示してある。どのような駐車が世界一なのか。乗用車の先頭がきちっと一センチのはみ出しもなく揃っていたのです。我々島根見学隊は仰天の声が一斉にでました。

  2. Mランド、この国のルールはただ一つ、それは「挨拶」。挨拶は自分を変える、世界が変わる。オーナーの小河会長は20年前アメリカ人の先生を雇って挨拶運動を展開。何故アメリカ人なのか。それは外人はあいさつが上手だから。インストラクターが挨拶運動をしたため、生徒同士も自然のするようになったとのこと。確かにこのランドで人が行きかう時はみな目を合わせて挨拶だ。茶髪であったり、斜に構えた生徒も自然に変わるという。

  3. 例の生徒が掃除するトイレの前での説明。トイレ掃除すると金髪の子でもすぐに変わるそうだ。変わることが無いだろうという子でも変わるのでびっくりするとのこと。感動の物語。始業時の2時間かける。20名限定の予約制。予約表に基づく。事務所で生の帳票を見せてもらった。

  4. 小河会長は91歳、今でも毎日会社に青いこじんまりしたベンツで出社し、毎朝幹部とミーティングするという。幹部とは現社長(本部長)と孫の部長とのこと。会長から人間哲学から経営のことを教授をうけているとのこと。そして週一回は部長クラスを入れた幹部ミーティングを開催し、会長から薫陶を受けるとのこと。この会社は小河会長の大切な永遠の宝物なのだと思った。会長はこの島根の田舎にあって日本一、世界一を目指している。その源泉は会長のへそ曲がりと反骨精神や人間性にあるという。以下に記述するアイデアラッシュの仕掛けや仕組みは全て会長の指示だとのこと。

  5. 小雨が降ってきたので小さなコンビニのような日用品のショップを案内いただいた。そこではMマネー:ダラー(100円)の地域内通貨があるという。確かに値付け札は全て$表示だ。隣の飲食やパンのコーナーでも同様にダラーでの購入だという。1、2、5、10$札を見せてもらった。セント単位は10円を使うらしい。このダラーを稼ぐにはトイレ掃除や場内清掃の手伝いや感謝のカードなど記入するともらえる。特にトイレ掃除は20$らしい。このトイレも見せてもらった。百貨店のトイレのように綺麗だった。掃除用具も4定できちっと揃えてあった。会長はイエローハットの鍵山秀三郎さんの影響を受けたのだという。1年間に2000万円の持ち出しだという。それでもやり続けている。

  6. 2013年は創立50周年。1963年創業ということ。20万平方メートル、東京ドーム4個に相当。コースとしては日本一の広さ。300本の樹木があり、山の自然を生かしているのが特徴。公安委員会は自動車教習場内のコースには樹木は認めないとのことで何回も改善指導が出たようだが、会長は一切無視。今は公安もあきらめたとのこと。反骨なのだ。確かに一つの山を整備してできており、緑や自然豊かなランドである。小山の頂上に向かう坂道の途中には、合宿する生徒の宿泊施設があった。4人一部屋だという。しかもテレビが無い。消灯もきまっており生徒たちは規則正しい生活と人間的な交流から、自閉症などの生徒も卒業には自分の意見をきちんと表現できるようになるという。

  7. 事務所の前には日本庭園の技術を使った植栽庭があり、見事は岩や石と植栽で日本伝統の文化を表現している。各所にそのような箇所がある。5年前に日本一(年間6000名越え)になった時、交流のある(株)タニサケの社長から贈呈された北山大杉もあった。先ほどの小山へ向かう途中には茶室もある。「無尽蔵」と「空中戦」(10メートありそうな高床式)がありこれも会長のアイデアで日本の伝統文化を味わってもらう、あるいはその大切さを理解してもらう目的らしい。千万円単位で仕組みを作るとのこと。この茶室の女亭主が丁寧にあいさつして下さった。着物を着ておらず失礼しますとの両手をついてのこれが日本だというばかりの「もてなしの心」が伝播してきた。お茶を味わうと女性は美人になり男性はかっこよくなるという。(椋木さん)

  8. あちこちにある人生道場のことば(言霊)標柱は会長が尊敬する會津八一の作品からの引用とのこと。(1881年(明治14年)8月1日 – 1956年(昭和31年)11月21日)は、日本の歌人・美術史家・書家)「一人で生まれ、1人で死ぬる。だから幸せをつかめ。いい友をつくれ。ありがとうと言ってくれてありがとう。」(会長の大書の文字)

  9. 教育システムはという質問に対する答え:会長は毎日の本部長と部長(孫)に対する指導と毎週のマネジメントとのレビューミーティング(各部門の情勢報告と対応など)で教育しているとのこと。研修大会年2回あるとのこと。年1回のMランド祭り(6月第一土:5000人来場)100kmウォーキングの企画運営が研修となっている。改善カードやありがとうカードも教育研修となっているとのこと。つまり、年間のイベント企画運営をプロセデュースしたり協力することが研修なのだという。

  10. 大学での学生への宣伝活動だ。会長のコネクションでやらせてもらっているという。しかし、現状6割は口コミの紹介だという。ある意味でリピートということだ。紹介で顧客を確保できることは経営にとって重要な顧客満足度指標だと思う。学習障害の生徒への対応もやっている。行政や社協のアプローチもやっているとのこと。営業における価格競争問題については、実際にはあるが、当社は全く反対に値上げする方向だとのこと。価格よりサービスが優先とのこと。

  11. 従業員の評価制度という質問に対して:いくつかの要素で評価されるが、結局は役員である。ということは会長なのかと思った。どうも制度としては透明性にかけるのではないか。ワークライフバランスについて:ありえないというような回答。幹部のみかもしれないが、ワーク、ワーク、ワークと三回繰り返された。

  12. 入口の建設中も建物はという質問に対して:現在取り組んでいるのは外国人専用の滞在ハウス、コミュニティ広場だ。300人宿泊できる。それとバイオマス発電所とそのエネルギー利用しての大浴場だ。外国人生徒(顧客)の需要増に対応して中国人インストラクターなど4人を採用している。(当日も現場では中国人が多くいました)

  13. 理念はどのようなものかという質問に対して長いのが3つあるのだが「もうかるのではなく、若い人のためになる」だという。